活動報告

副大臣公務

復興五輪を契機とした福島の復興・振興に向けた取組(文部科学副大臣1年間の活動を振り返る8)

大会そのものについて政府を代表する立場となっても、地元での復興五輪成功への思いが消えるわけではない。オリンピックはあくまできっかけであり、そこから巻き起こる市民の熱気が、反転攻勢の礎となる。市民が主役の福島五輪を目指して、多くの方々が立ち上がってくれた。

◆福島前日祭の実現に向けて

東京オリンピックは、開会式より前の7月22日、全ての競技に先駆けて福島あずま球場のソフトボール競技で開幕することになっていた。世界中が注目する祭典の幕開けの場所。世界にアピールするには絶好のシチュエーションだ。是非ともこのチャンスを生かしたい。しかし、私のもとには、「自分達も何か係わりたいが、どうすればいいか分からない。」「オリンピックにあわせてイベントを行いたいが、どこと話をすればいいか分からない。」という声が数多く届いてきた。市民が当事者として係わって初めて持続的な活力が生まれる。市民が主役となる核となるものが必要だと感じていた。
ちょうどその頃、旧広瀬座が収録場所となった周防正行監督の映画「カツベン」と文化庁のタイアップイベントが旧広瀬座で行われることになり、文部科学省を代表して出席することとなった。その挨拶の場で「福島前日祭」を亀岡私案として披露した。
あくまで主役は市民である。もちろん全力で応援はするが、行政主導のイベントでは元も子もない。そうした私の思いに共感した人達が、福島前日祭を実現すべく実行委員会を立ち上げてくれた。

亀岡私案の一部

旧広瀬座を会場に行われた「カツベン」の上映会

令和元年12月文化財活用イベント「旧広瀬座×カツベン!」に出席した。旧広瀬座は、日本の伝統文化を発信する上でも絶好の場所だ。そこから日本博と
の連携を着想し、亀岡私案とした。
同イベントには、周防監督、宮田文化庁長官、木幡福島市長らも出席し、私を含めたメンバーで対談も行った。

福島前日祭の中核イベント会場となるはずだった旧広瀬座

東京オリンピック・パラリンピックが延期になったことで、前日祭も計画変更を余儀なくされた。
せっかく高まった気運を消さないためにも、また、これまで準備にあたってくれた実行委員会の皆さんの思いに
報いるためにも、来年こそは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の実施とともに、必ずや市民が主役となった前日祭を実現させたい。

《トピック》野球を愛する人は皆友達

WADA 常任理事会が開催されたスイス・ローザンヌは、IOC 本部があるオリンピックの町として知られているが、国際競技団体の本部が集約している場所でもあ
る。国際野球ソフトボール協会(WBSC)もその一つ。東京オリンピック・パラリンピック競技大会成功に向けて協力関係をつくるために表敬した。
野球ソフトボール競技の世界普及を目指す同協会は、ソフトボール競技がオリンピックのオープニング競技となることに強い期待を抱いていた。福島前日祭について触れると大いに関心を示し、盛り上がりを創出するため、出来ることはなんでも協力したいと申し出てくれた。

WBSC 本部でマイケル・シュミット事務局長(中央左)、リチャード・ベーカー広報部長(左端)と最初は日本国の要人という堅苦しい扱いであったが、
私が野球人であったことを知ると、とたんにフレンドリーな空気が生まれた。野球を愛する人は国籍や言語が違っても、自然と心が通じあうことを改めて実感した。

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