活動報告

副大臣公務

福島大学を発酵醸造学の世界拠点に(文部科学副大臣1年間の活動を振り返る9)

◆「発酵醸造は福島に学べ」福島大学を発酵醸造学の世界拠点に

平成31年4月、福島大学に食農学類が開設された。「福島に農学部を」との地元の期待を受けて取組を始めておよそ10年。ようやくそれが結実した。
食農学類は、食品産業や農林業の第一線での活躍や、行政や教育機関等で食品産業や農林業を支えることを目指す学生を受入れ、福島県全域をキャンパスとし
て、6次産業化、先端農業の推進、福島ブランドの振興、地域再生など、地域の課題解決に主体的・創造的に取り組む地域リーダーを育成する場となる。
これに加え、私は、福島県全域の発酵醸造の高いポテンシャルを生かして、世界に誇れる発酵醸造の研究拠点を創り出すことを提案してきた。「発酵醸造は福島に学べ」と言われるような拠点ができれば、福島県の産業にも大きな可能性を生み出す。
福島大学では、食農学類の開設と並行して検討を進めてくれ、今年度、研究所整備の具体化に向けた準備体制を整えて、構想を前進させてくれている。非常に野心的な構想であり、実現は簡単ではないだろう。しかしそれが福島のためになる限り、私は全面的に後押しをしていきたい。

令和元年10 月福島大学創立70 周年・食農学類設置記念式典に招かれて挨拶
食農学類の設置は、長く思いを込めて取り組んできた分、感慨はひとしおだった。これからがスター
トであり、期待通りの人材を輩出してくれることを望んでいる。

発酵醸造研究拠点の構想検討には私も大いに関わらせてもらった。学術的視点だけではなく、どうすれば福島復興につながるかも考えて、構想を練り上げて欲しいことを言い続けた。

令和元年11月福島大学にて

令和2年6月 副大臣室にて三浦学長らと

 

福島大学農学群「食農学類」の創設と「発酵醸造研究所」への期待

始まりは「福島に農学部を」

 日本有数の農業県であるにも関わらず、かつて福島県には農学系高等教育機関が存在しなかった。「福島に農学部を」との福島県民の声が食農学類創設の発端である。

 東日本大震災前から、中井学長(当時)をはじめ福島大学スタッフ等の関係者と濃密な議論と検討を重ね、20194月、福島県民の念願であった農学系学部が、福島大学食農学類として創設された。

福島農業の再生を

東日本大震災と原子力発電所事故により、福島県の農業は甚大な損害を被り、そして今もなお風評被害は払拭されきれていない。

福島農業の復興を確実なものとするためには、福島の食と農の未来を担う人材の育成、新時代の食農の創造により経済の発展を生み出すことが望まれる。

そのためには、全県土をキャンパスとした実践的な学びが重要である。また、学生と地元の方々との交流及び共同研究は、地域の活力を生み出す原動力となる。

福島が目指す世界一、福島が誇る「発酵醸造文化」の創造

食農学類の特色は、福島の食農文化を映し出すものでなければならない。福島県には、8年連続金賞受賞数日本一を誇る日本酒の他、ワイン、味噌・醤油等々、地域に古くから根ざしている発行醸造文化がある。

「発酵醸造学を学ぶなら福島へ」と言われるような世界的研究拠点を創り出し、

①福島農産品の良さを世界に発信する、

②日本の素晴らしい農業・科学を融合させた「近未来型農業」の創造と世界展開で国際貢献を図る、

③発酵・醸造のスペシャリストを世界に輩出する、

ことが福島に大きな実りをもたらしてくれるはずである。

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